2017年1月11日水曜日

「木を植えた人」  ジャン・ジオン

平成29年1月11日(水)
by Eiji.K

◇ 短編の寓話であるが、読後感が非常に爽やかで心地よい。

◇ 当方にとって何が心地よいのか考えてみると次の2点にあると思う。

◇ 趣味で山登りをしているが、山に行く理由はいろいろあるが、一言でいう  
  と自然の中にとっぷりと浸り、自然に同化する心地よさを感じることにあると思っている。ほとんどの山は樹木で覆われた森の中にあるので、自然=森であるともいえる。その森を作り出す話なので共感を感じる。

◇ もう1点は15年近く、つるがしま里山サポートクラブで「市民の森」の整備活動を継続しているが、整備方法は森を放置していると雑草が侵食し、森に入れなくなるので、現状を維持すべく草刈り・ゴミ拾いと伐採が中心なっている。
現状における鶴ヶ島市の樹林地や緑地はここ数十年で急速に宅地化・工場化されており、日本全体の里山減少の縮図のようになっている。
森を増やすという試みは明治神宮の森など一部の例あるが、日本全体ではほとんど実施されていないのが実態である。
したがって、本に出てくる森を作るという作業・行為には共感とともに夢や希望を感じさせられる。
  ⇒人の住まなくなった宅地や廃業した工場跡地等を森に作り替える流れがそろそろ日本で始まらないかと期待している。 

◇ 本に出てくるフランス・フロヴァンス地方と日本の風土はかなり異なっている。日本では荒地は何もしなくても数年間で森になっていく温帯地帯にある温暖湿潤気候であるが、ヨーロッパの荒地は自然のままではなにも変わらず、人為的な作業が必要となる気候である。
ヨーロッパで見られる延々と続くブドウ畑や牧草地は尽力の賜物である。日本は、森再生には恵まれている風土であることを喜ぶべきである。


以上

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